更新遅れたお詫びの回

 朋美は東京ビックサイトに来ていた。

 今日は多くの人が来ていた。季節は五月。普段ならこういう場所に縁のない朋美は多くの人人人、ひとの海に溺れていた。今日はBL・GL合同イベントの日だ。朋美は二次創作という原作のある商業誌、例えばジャ◯プとかあるでしょ? 例えばナ◯トがあるじゃない? (今も連載してる? 私十年もジャンプも買ってないからわからないの)あれの二次創作とかを描いて売っている。ちなみにそれ以外にもゆるゆり、マリア様がみてる、東方、の二次創作も多くて、私はとらのあなでしか読んでないんだけど零っていうホラーゲームの同人作者が好きで、ジャンル的にはGLじゃないんだけど、百合でもないんだけど物語がよくて画力もプロで技術高くって好き。

 現実ではもう何年も同人誌買えてないんだけど(ちょくちょく作者が物語に入ります)

 関係者ネームを首から下げて朋美はC-1ブースに来た。

 作者も含めてこういうイベントは朋美も知らない。似たようなブース名に会社からあらかじめ荷物を送って事務所から送って、後になって担当者の報告書が回覧されてそういう感じなんだって思いながら作者も仕事していた。

 まあ、どういう感じかと言うと、商社ではないんだけど、そういう立派な仕事じゃなくってどっちかと言うと作業しながらって感じで私自身はそれ作るのに何かの役に立ったわけじゃないんだけど、売ったりしてて、そういう大規模イベントってコミケか父の仕事話しでしか知らない場所だった。

 イメージ的にはコミケが強くって、自動車の展示会や海外の製品の展示会、行政向けのIT展示会のイメージが強い。

 「朋美ごめんどうしても売り手が足りなくて」

 そう言いながら申し訳無さそうに由美子が手を合わせる。彼女は私の同級生だ。ちなみに腐女子だったのを知ったのは社会人三年目だ。

 描いているのは主に平成黄金期のジャンプが多いが鬼術回戦や呪術刃も好きだ。朋美は新宿事変の鬼術回戦が好きだ。詳しくはないけど、ちょっとは見た。朋美みたいに成ると基本的に趣味は好きな人と一緒になる事だから、二次元の義務教育はほとんど受けていない。それでも、朋美が好かれているのは単純に人当たりが良いからなのかも。由美子のジャンルは基本的にはBLという男子同士の恋愛や恋愛に近い友情や寝取られだ。六条悟と夏油勝が敵対し合いながらも裸で愛し合うようなジャンルが多い中、由美子のジャンルはBLというよりは基本的には普通に漫画に近い気がした。

 ペンのタッチは濃くてトーンはあまり使われていない。トーンというのは私も詳しくはないんだけど白黒の漫画で明暗を線で分けるような美術中学でやったでしょ? あれのカッターで切って貼るようなものがトーン。私、美術の才能がまったくないからそういう知識ないんだけど、多分、現代の子ならそんな説明されなくてもわかるよってなっているのかも。

 由美子の同人誌は引退傭兵は静かに暮らしたいといったような戦記物からロックバンドの人生譚が多い、邦ロック好きな彼女はブログを鬼チェックしているし、なんならインディーズ時代も知っているからロックバンドのメンタルのクソ強さやハウスで喧嘩したりバンにしょんべん掛けて腹いせしたりと言った話が好きだ。朋美も邦ロックが好きだから音楽性の違いで小学校から仲良かったはずのバンドメンバーが去っていく悲しみを綴った当時の記事を何度か読んだりしている。

 ロックの良いところはそういうのをアイドルと違って美談にしないところが好きだ。

 「由美子! 私貴方のジャンル好き!」

 「ありがとう!」

 「ケネディとリンカーンのアカデミー時代の友情好き! また描いて!」

 「うん、書く書く!」

 「貴方のオリ作(オリジナル作品)タバコと夜が最高だった! また描いてね!」

 ちなみにその作品は寝取られだ。GLファンもたまにそういうの好きな人いるのだけど、なんなの、同じ性別じゃないとそういうの不快感なく見れるの? 見れるよね、私も男が凌辱されてるの興奮するし、歪んでんなぁ私も。 

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