1ーおまけ① 寝ている間に

 これは、アウルという街まで行く途中の話。


 カチュアとエドナは、泊る所はなく野宿で一夜を過ごした日。翌朝。




「ふわ~、おはようございます~」


 エドナは、大きな欠伸をしながら歩き、先に起きていたカチュアに近づいた。


「カチュアさん、これは? 狼型の危険種ですか?」


 カチュアの周りには、恐らくは狼だろう。その野獣の死骸が何匹かいた。


「あっ! エドナちゃん、おはよ~。そーよ~。お腹がすいたから、狩ったのよ~」

「これ、全部カチュアさんが? すごーいんだよ!」

「えへへ、ありがと~」

「しばらくは、食材には困らないんだよ。早速、このお肉使って、朝ごはん作らないと」

「わ~、エドナちゃんの作る料理は、美味しいから、楽しみ~」

「任せてよ!」


(まったく、この能天気コンビは! 夜大変だったんだよ!)




 それは昨夜の話。


 「グゥルルルル!!!」


 狼型の危険種、六体がカチュアとエドナを囲んでいた。


 しかし、二人はというと。


「もう食べれないんだよ……」

「……ふにゃふにゃ~~」


 カチュアとエドナは熟睡していた。


「グオォオオオオオオ!!!」


 狼の一体が寝ているカチュアとエドナに襲い掛かってきた。


「はうう……」


 バッシ!!!


「グオォオオオオ!?」


 エドナの蹴りが狼の顔面に直撃した。


「くぅ……」


 エドナは起きて蹴りを入れた訳ではなく、寝相の悪さで蹴りを入れたに過ぎなかった。


「あら? 気配を感じたのに、何で一匹は倒れているのかしら~?」

  

 寝ていたカチュアが起き上がった


『おい! 目が覚めたら狼がいるんですが』

「あら~。朝ごはんなかったから、丁度良かったわ~」

「ガゥ!?」


 狼は怯え始めた。


「ガゥウウウウウウウ!!!」


 狼達はカチュアによって食料にされました。


(てか、夜中にどちらかが起きて見張りをしないといけないのに、何で、二人揃って寝ていたんだよ)




 旅の間、夜中、二人が寝ている間に、狼といった危険種に襲い掛かって来たが、そのたびに、カチュアがすぐに目を覚まして返り討ちにしていった。


 エドナも寝相の悪さで、返り討ちにしていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る