3ー1 姫君の鍛錬
【セシル城。訓練所】
「す~~はあ~~」
周りは音一つも聞こえない、静かなところですわ。そんな空気の中で、わたくしは目を閉じて、大きく深呼吸をするのです。
「……行きますですわ!」
そして、わたくしの腰に掛けている鞘から、刀を抜きましたわ。
シュパーーーーーン!!!
一振りしか、刀を振っていませんですが、わたくしの目の前に配置してあった訓練用の人形には
「……ふ~~。こんなもので、よろしいのでしょうか?」
刀を鞘に納めましたわ。
大分、物にした、でしょうか? ……だけど。
「はぁ、はぁ……素振りだけなら、いくらでも、できますのに……」
まだまだ未熟ですわ。技一つ放った後に、疲れて、集中力が途切れてしまいましたわ。そのため、何度か、技を使うことができないのです。
「……休憩しましょう」
ここは、セシル王国。
それは
鳥人族は、鳥と付きますが、一般的な鳥とは違い、口元は
勿論、この翼は飾りではありませんわ。ちゃんと、空を飛べるのですのよ。
セシル王国全土は森に囲まれた自然豊かな国ですわ。森の中の移動は大変そうに見えますが、わたくし達、鳥人族は空を飛んで移動が可能ですから、鳥人族にとっては不便ではありませんですわ。
この自然豊かなで、空気が綺麗な環境は疲れた心を癒してくれますわ。それが、セシル王国のいいところですのよ。
わたくし、ユミルは、一応、この国のお姫様と言うことになるのでしょうか? 勿論、セシル出身である、わたくしは鳥人族ですのよ。わたくしの背中には、白い翼が生やしていますのよ。
現在、わたくしは、セシルにあるお城の訓練場で、毎日の日課である刀の
刀を扱っている鳥人族は、わたくしぐらいでしょうか? 鳥人族の扱う武器は、近接系だと、
後は、遠距離系の武器だと弓になるのでしょうか?
だけど、わたくしは憧れの人と同じ、刀を武器にしていますのよ。その方は過去の人ではありますのよ。そう、英雄譚に載っている偉大な方ですのよ。わたくしは、その方を目指して、毎日の刀の鍛錬を欠かせないですのよ。
「休憩は終わりですのよ。やはり、技を何度か使うためには、基礎体力を付けないといけませんわ。そのためには、毎日の素振りを倍以上にやるとかして、体力を付けないとですわ。亡くなったお兄様やお母様の分まで、国を守らないとですのよ」
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