†僕は生きている†

第33話

僕は、ひとりで『苦しくはない。』

そう繰り返し、静かな世界の中で・・・

息をし、夜空を見上げた・・・


でも、生きている証が欲しいから・・・


静かな世界の中で、ナイフを持ち・・・

ナイフを眺めていた・・・

ただ、生きている証が欲しい。


それだけを思い、手首をナイフで切り裂いた・・・


ポタポタと、赤い色が出てきた・・・

それが手首を赤く染めた・・・

触れば、温かく僕は『生きているんだ。』


そう、何処かで安心した僕・・・


切り裂く程に、手首は赤く染まり・・・

温かい、生きている証がポタポタと落ちる・・・

そう。『僕は生きているんだ。』


それだけが、頭をよぎり安心出来た・・・


切り裂けば、切り裂く程に・・・

温かく赤いものが手首を赤く染め・・・

それを『生きている証。』そう安心し・・・


静かな世界の中で、ひとり夜空の下・・・


月明かりに、『生きている証』が・・・

溢れた手首を眺めて思った・・・

『僕は生きている。』そう呟いて・・・



静かなお月様は、ただ僕を包み、心に優しさをくれた日・・・


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