第9話

未来ちゃんは、8月で3歳になった。







よく話すし、よく笑うし、よく遊ぶ。







保育園でも、活発な子として有名で。











父親が高齢ということもあり、まだ妊娠する前から色々心配していたけれど、未来ちゃんは元気に、そして健やかに育ってくれた。











未来ちゃんは、目はわたし、鼻と口は男に似ていると、色んな人から言われている。







実際わたし達2人も、そう思っている。







未来ちゃんは誰がどう見ても、わたし達の子供。







未来ちゃんが生まれるまで、我が子が自分達に似ることがこんなにも嬉しいことだなんて、想像もしていなかった。












『ねぇ、どうする?未来ちゃんが高校生になった時、40代の妻子持ちのおじさんに誘われてエッチなことでもしちゃったら。』








すると男は、優しく細めていた目を一気に見開いた。








〈そんな怖いこと言うなよ。〉



『あら。そんな怖いことしたの、どなたでしたっけ?』



〈お前……〉



『あはははは。でも、わたしもやだなー。』



〈その頃は俺も、隠居生活だろ。24時間見張っててやる。〉



『はぁ?馬鹿じゃないの?』



〈馬鹿で結構。〉

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