第4話

わたし、和田沙織は、3ヶ月後の2月で31歳になる。







対する和田聡はその3ヶ月後の5月に、58歳になる。







当たり前だけれど、いくつになっても歳の差は縮まらない。








それでも、そこらの夫婦とは比べ物にならないくらい毎日楽しく、仲良くやっている。







本当に、色んな意味で、仲良く。











まぁ、他所の夫婦のことなんて、知らないけれど。











〈あとこれ。〉



『ん?』









それは、世の女性の憧れの、オートクチュールの紙袋。








『わぁ、どうしたの、そんなお高い物。』



〈小さいけど、ちゃんと本物だぜ?〉








2人で笑う。








『ありがとう。嬉しい。』








男から、その紙袋を受け取った。








『何だろう。開けていい?』



〈どうぞ。〉








並んでソファーに座り、中を覗いた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る