第6話

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翌日。繁華街の中にある他店舗でバイトを既に終えた。壁にかかった時計を見遣ると、夜の22時過ぎを指している。




「お疲れ様でしたっ」



「うん、おつかれー。」



まだスタッフルームにいる人に声をかけてから、サッと着替え終わったわたしは慣れてない店舗の裏扉からそこを出ていく。



学校終わりにバイトへ向かったため、制服のまま夜の繁華街を歩く。



平日の夜だからといって、この街から人が消えることは無い。




繁華街の入り口から歩いて五分ほどの場所にあったファミレスは、繁華街の中と言っても言う程は奥深くの場所では無い。




もっとディープな方まで入り込むと、夜の店、娯楽が立ち並ぶ場所に変わっていき、夜が深まれば深まる程に人が増えていく。



その辺りは、いま歩いてるここら辺よりもよっぽど治安が悪かったりする。



そんな場所には行きたくもないし、関わりたくもない。



目立たないように人を避けながら、サッサと繁華街の入り口にある駅まで足早に歩いていると。





「なぁーそこの人」



「…」



「そこの!アンタや、アンタ」



「…」



「制服着とる、くるくる髪の」

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