☕☕

かのさぁーん。

かのさん、どこー？

伊織くんの声がするのと、リビングの横の部屋のドアが開いたのは、同時、で。

自分の首のうしろに、両手を回して固まったまま、動けないでいる。

目を見開いている、伊織くん。

私と同じように、固まっている。

「…い、いや…、あの、ね…？伊織くんとお出掛け出来るのが、うれしくて、うれしすぎて…だから、勝手にひとりで、盛り上がっちゃったって、ゆーか。って、か、ドアを開けるときはノック位してよねー？！なにか、よからぬことでもしてたら、どーするのー？」

冗談っぽく言って、その腕をばしばし叩くも、未だに固まったままの、伊織くん。

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