第5話 分岐点1ルートB

「これじゃあだめ?」


少女が差し出したは小さな青い花だった。


「いいよ。もらうね。」


「はい、どおーぞ。」


「ありがとうってね。」


「んじゃあ、こっちだよ。」


少年がそう言うと半透明の少女の両親がいた。


両親に会えた少女は泣きながら駆け出した。


少女の両親は両手で少女をあやしていた。


「なんでぇ、パパもママもぉ、いなくぅ、なっちゃうのぉ!うわぁーん」


「ごめんな、先に居なくなって...でも、こうやって、今、会えたじゃないか。」


「ごめんなさいね。でも、また会えたのに泣いたままでは悲しいわ。」


「う˝ぅ˝ん。」


「会えたよね。うん。約束は守った。じゃあね。」


少年がそういうとすべてが幻のように消えてしまった。


もちろん、少女の両親も。


「まってよぉ‼パパぁ、ママぁ!」


少女は泣くが変わらない


「おい、いたぞ。」


「こいつだ!こいつのせいでっ」


「なにっ?なんなの!?」


「お前がいなくなってから村が山火事でなくなったんよ‼」


「村長も焼死してしまった...全部お前のせいだ‼お前が生まれてくるから‼」


「俺の母ちゃんも...」


「私のパパも...」


「そうだ、この疫病神め‼」


「...魔女だ。」


「そうか...魔女だったんだ...魔女はどうするかァ‼」


「火あぶりだ...火あぶりの刑だ。」


「そうだ。こいつを拘束しろ!」


「ひっ、や、やめ―――」


少女は捕らえられ、処刑台へ連れていかれた。


そして、




死んだ。



神は嗤う。






「よかったね








また会えるよ。






醜い姿で...ね。」



少女が黒焦げになった後、神は言う。


「村の人々は馬鹿だねぇ。そんな死を迎えたらどうなるか簡単にわかるだろうに。」




「魔女はいなくなった。」


「これでもう大丈夫だろう。」


カサッ



黒焦げになった、いや死んだ少女は動いた




怨念となって襲いかかる


そして、村人は全滅した。


特大の厄災を残して...

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