俺の想い

第1話

「りーーーおーーー!」



生徒会がない木曜日、のんびりと校門に向かっていると聞き慣れた声に呼び止められた。


振り返ると、かなり遠くから手を振りながらこちらに走ってくるやつ。


…生徒会の副会長、桐生美咲(キリュウ ミサキ)だ。




その姿を見て俺もそちらに歩き出す。



だって

「莉皇(リオ)、なんで勝手に…って、わぁっ!」



美咲はよく何にもないところでこけるから。


「あっぶね…」



今回はギリギリ間に合って手を差し出すと、彼女はギュッと抱きつく。



「…なんでお前はいつもこけるんだよ」


「ほら、私、足長いから…よく絡まるのよ」



バカじゃん?

なんて言ってみるが、実際、あながち間違っちゃいない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る