其の男(喜見広)

第4話

月明けから風邪を引き、医者の所へ薬を取りに行った帰り、喜見広は小さな寺の前で斬り合いを見掛けた。


印象的な淡い桃色の小袖に茶色の袴、夕陽に髪の色が黄金に見えて眩しい。


少し離れた所には、冬物の藍染羽織が落ちていて、その近くには二人の男が血を流して倒れていた。

流れた血の形に雪が溶けていた。


それが着ている羽織に見覚えがあった。

助太刀しようと大刀の鯉口を切りながら、血刀を下げている男の背中から向こうを見やった。


相手はあと二人。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る