第33話

ハヤテは手にした金属棒を握り締めた。


華奢な身体からあれだけのパワーを放出できるとは…


スイが腕を振る瞬間、同じソニックブームで打ち消してしまおうと考えた。

しかし、出来なかった。


兄さんではないけれど、パワーの絶頂期は六年前に越えてしまっている…


まともにやり合っていたら、打ち消せず、スイのパワーを食らっていた。


ピシッと壁が鳴いた。がらがらと崩れ落ちていく。

「三上嬢!」

そちらを見ながらユウヘイが声を上げる。

椅子にチェーンで縛り付けられている瑠利の横に、ブロンドヘアーの女性が拳銃を突き付けて立っていた。

一重でつり上がり気味のアクアマリンの瞳に、ブラウンのルージュを引いた唇を不敵に歪ませる。

「ようこそ」

「…あなたも能力者ですか?」

「いいえ。私はトリーニ・イングス。サトミ先生の助手」

問うハヤテ、答えるイングス。綺麗な日本語の発音だった。

「そしてあたしらの司令官よ」

スイがにやりと笑った。

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