1~接触Ⅰ「奇襲」
第5話
大学近くの駅前で、三上瑠利は初夏の晴天を仰いだ。
毎朝、郊外からバスと地下鉄を乗り継いでくる恋人を待つ。
恋人には毎日おまけがついてくる。
三つ子なので仕方ない…とは思えなかった。
「違う大学行ってよ」
「叔父の母校だし」
「恋路を邪魔しないで」
「三上嬢、年寄りくせー」
…二人は強かった。
なんで4年前のことなんて思い出してんの?
瑠利はサトミショウヘイを好きだった。
言動の端々にそれをちらつかせていた。
最初はまったく無関心だったショウヘイも次第に気にしてくれるようになった。
六年前の騒動以来、各地で遺伝子操作で生まれたという人間が、相次いで出没。
政府は対応に追われた。
そんなものがなくても、瑠利はその前からショウヘイに想いを寄せていた。
友達には「これでおおっぴらに宣言できるわね」と言われた日には、この人とはこれから一線引いて付き合おうと思ったくらい腹が立った。
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