第17話

帰国してから約一月、家には一度も帰っていなかった。


今更帰れない。

家出をしたのだ。

父と兄が許してくれるはずもない。


帰れても、帰る気持ちがなかった。

裏の人間に関われたらやりたいことがあった。


一月もホームレスタウンを転々としていると、顔馴染みが出来ていったりする。


「さっつん」

話し掛けてきたのは、これも家出少女のリサだった。

「医者きてるよ!タダだって」


健康診断は帰国前に受けたと断る前に並ばされてしまった。

しかも、逃げないようにリサが見張るとかで前にされた。


あれ?タダ?……ホームレスを無料で診る?


僕の番になった時、先輩の――あの指名手配の紙を医者の前に出した。


この、男が先輩を知らなくても、男は裏の人間だ

何かの収穫に繋がるかもしれない


旅をしてきた二年とこの一月の経験がそう告げていた。

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