第160話

怖いけどそんなこと聞いたら少しは身を委ねてもいいかなと思ってしまう


頼ってもいいのかなって


「ありがとう」


ふわり


また、優しく笑った


『こちらこそ お兄ちゃんのこと教えてくれてありがとう』


私も笑う


お互い微笑み合ってこの時間を噛み締めた


胸の奥が温かい



「…それじゃあ行こっか」


『あ、待って。もう一度お兄ちゃんに挨拶したい』


ちゃんと、お礼を言いたい



「うん。行こう」


私の言葉に竜雅もまた目を細め優しい顔で頷き 私と共にお墓に向かった。



『…――お兄ちゃんありがとう。私を守ってくれて 本当にありがとう』


ずっとここに来て謝ってばかりだった


でも今日から違う


これからもずっと“ありがとう”って言おう


『また来るね。…今度はみんなで』


お兄ちゃんに向かって笑みを浮かべ、立ち上がる



『行こう』


ブワッ


背を向けた途端 突然、強い風が吹き背中を押される


感じる風が温かくて優しかった

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