第27話

「もしもし……弥生だけど……」



「弥生、久しぶりね。元気にしてるの?」



久しぶりの母の声は、なんか、暖かかった。



「あのね……」



「あぁ、あのことね。宏君から聞いた。結婚するんだって?おめでとう」




親戚のお兄ちゃんが、誰かから聞いて、私たちの婚約を親に伝えていた。



「知ってたんだぁ……」



親不孝な自分が情けなくて、声が震え、涙が出た。




「どうしたの?泣いてるの?何があったの?」



「満に、私が殴られた」



「え、、、、大丈夫なの?お母さん、そっちに行こうか?」



「大丈夫。知り合いの人が親切にしてくれて……今そこの家に、かくまってもらってる。手当してもらって、ご飯までご馳走になった」



「きちんとお礼するのよ。――いつでも帰っておいで。待ってるから」



「うん、ありがとう……いつも心配ばかりかけてごめんね」



「意地を張らないで、いつでも頼ってきなさい」



「………………うん。じゃぁ、また、連絡するね」



いっぱい話したかったけど、涙で言葉が詰まってしまい、うまく話せなかった。

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