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その後も、あちらこちらから聞こえる‘炎雷’の話。
今日はやけに‘炎雷’が話題になっているだけなのか、そういう話に興味がない私が今まで気にしてなかっただけなのかはわからないけれど、‘炎雷’の話で持ちきりだった。
そしてそのほとんどが、‘炎雷の姫’の話。
それが自分のことかどうかは定かではないけれど、もしそうだとしたら、こんなにも噂が広がっていることに驚きだ。
それからちょこちょこ‘炎雷’の話を耳にしながらも、いつも通りの学校生活を送り、放課後になった。
さっさと帰ろうとして席を立った矢先、教室がそれまで以上に騒がしくなった。
それに不審に思って、まわりを見ると、みんな窓際に集まり、外を見て何なら騒いでいる。
野次馬根性はないけれど、なんとなく人の隙間から外を見てみると、見覚えのある黒いセダンが見えた。
そして、その前に立つ人物。
ここからじゃ顔は見えないけど、あの銀髪と存在感はもしかしなくても――…
「なんでここに‘炎雷’が?!」
「‘炎雷の姫’ってうちの学校なの?!」
その言葉に、こっそりため息をついた。
そして、もう一度ちらりと外に目を向けてから、そっと騒がしい教室を出た。
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