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「なんですか?」
「なんで怖くない?」
「はい?」
「怖くねーんだろ?」
「あー、はい」
淡々と返す私に、桐谷耀は顔をしかめた。
「犯されるかもしれねーぞ?」
「あー…そういう可能性もありますね」
狙われるとなれば、そうなる可能性もあるのだろう。昨日もそうなりかけたわけだし。
でも、そうしたら、‘理由’ができるじゃないか。
私は‘理由’が欲しいんだ。
「どこか知らねーところに捨てられるかもしれねーぞ?」
「あー…はい」
そういう可能性もあるのか。そこまでは考えてなかった。
でも、どうせならそっちの方が都合がいい。
‘理由’を作って自分でやるよりも、誰かが手を加えてくれた方が手間が省ける。
それに、結果は同じなのに、‘悪’から可哀想な被害者になれる。
その方がずっといい。残された人にとって。
表情一つ変えず、なんてことないかのように言う私に、桐谷耀はさらにしわを深くさせた。
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