第68話
受かったよ。というと薫は嬉しそうにしたのだが、私のとった行動はよかったのだろうかとも思う。私は道じいちゃんのお孫さんだと言われる人に会わなきゃいけない。そしてどんなに辛い仕打ちでも受けなきゃいけないのだということはわかっていた。私は犯罪者の娘なのだ。これからもそれは変わらない。だからこそ、交渉人になった。
薫さんと呼ぶと、すみれなんだいという。今までありがとう。というと、それはすみれはいなくなるのかといい、悲しい顔をする。
私がいなくなるってどういうことだろうと思ったのだ。俺のそばにいてくれないのかと聞かれて、はっとした。そうか。薫さんはそう思ったんだ。私は薫さんから離れたくないです。と伝えた。すると安心したのか、すみれに嫌われてるのかと思ったというので、なんでだろうと思った。薫さんはこういった。俺をおじさんと呼ぶすみれだからそう思ったんだ。おじさんって呼ぶってことは世間ではくさいとかそういうイメージがあるんだ。だからな。というが、今私は薫さんと呼んでるのになと思うと、でも最近すみれは薫さんと名前で呼んでくれるようになった。それがうれしくってというと、笑みを浮かべてくれた。薫さん、あなたのおかげで今の私があるんだからね。というと、俺は好きだけじゃない。すみれを愛してるというのだ。愛してる、その言葉に私は泣いてしまった。そして私も愛してるといったのだ。この愛してるという言葉が自信になったのだ。ありがとう。薫さん。これからもよろしくねというと、ああー。というと抱きしめられて寝てしまった。
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