第34話

カオルが女の子を連れて来た。かわいい子だった。名前はすみれちゃん。私がつけたかった名前をこの子につけたと聞いた。すみれちゃんかあ。昔薫が女の子だったらつけてたはずだった。私の主人は薫を身籠った時すごく喜んでいたが、その時、身体がもう弱っていたのだ。そして薫を見ることもなくなくなった。そして私は薫を育てながら家計を切り盛りしていたため、薫に寂しい思いをさせていた。そんな薫がある日私の手を見てこういった。手痛そうだね。俺、大人になったら母さんを楽にさせてあげるねというと、薫は優しいいい子に育ったとおもった。ナオル君の事もちゃんと家で暴力を振られてると分かって助けたいと思ったに違いない。そして中学校の時、ナオル君を暴力から救いたいと思った薫はナオル君とナオル君のお母さんをかばって殴られ続けていた。それを知った私にこういったのを覚えてる。暴力だけはダメって言ってた。だから守ったんだ。というのだ。私はよく薫に暴力はダメと言ってたのを覚えていたんだなと思った。そしてナオル君は薫は怖いだろうに俺をかばって殴られ続けられていたんだよというのだ。そのことでナオル君のお母さんは離婚して、別の男性と結婚したのね。薫は私の自慢の息子。夕坂グループという経営会社を作って社員の一生を面倒見ようとしてる社長だと聞いてる。それが出来るのは人がいいこと。我慢が強い事。人思いだということだと思う。そして私を頼ってきたのはこのすみれちゃんを不安にしてはいけないと思う薫の優しい気持ちだと思った。すみれちゃんを見た私はかわいいと思った。そして優しい心の持ち主であることを見抜いた。

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