第29話

「達沙…、ごめん。ちょっと、意味分かんない。」



「俺だって…っ、何でイライラすんのか、分かんねえよ。」




達沙の行動の意味が、どんどん分からなくなってくる。



そんな自分も、分からないときたら、私にだって分かるわけがない。




「達、沙?」



「昨日から、あの男が真野って呼んだ時から、イライラして仕方ねえんだよ。何なんだよ、お前。…ふざけんな。」




泣きそうな顔をしながら、声を震わせてそう言っている姿に私は少し怯んだ。



な、何で…達沙が泣きそうにしているのか、私にも分からない。



当の本人も分からないと言って、イライラしているようだ。







「自分の気持ちが分からなさすぎて、イライラする…っ。」



ギュッと私を掴む手が、強まった。

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