第7話
ホッと胸を撫で下ろす。
『良かったー!』
「大切なものでしたか?申し訳ございません、俺が預かっておけば」
『ううん、錦が持ってるの分かれば大丈夫っす。借り物なんですよ。貸してくれた人の大事なものらしくて……。』
錦が帰ってきたときに聞けばすむ。
引き留めてしまった獅子さんと別れ、部屋に戻ってバイトの支度をした。
まだ時間は早いけど、部屋にいても色々考えちゃうから外に出よう。
「あれ、紺ちゃんおでかけ?」
『あ、光くん。散歩?に行こうかなって。光くんがこの時間にいるの珍しいね。』
「今日は午後からお休み。そうだ、時間あるなら俺に付き合ってよ。ね?」
『うん。どこ行く?』
「そうだなー。俺ご飯まだなんだけど、紺ちゃん食べた?」
『あ、そういえばまだ何も。』
「紺ちゃんが食べてない……それは大変だ。すぐ着替えるから待ってて!」
『うん!』
あんまりお腹空いてないから急がなくても大丈夫なんだけどなー。
玄関で座って待っていると、スーツからカジュアルな私服に着替えた光くんが駆け足で戻ってきた。
「お待たせ。車で行こうか。」
『はーい!』
光くんの運転で少し離れたショッピングモールまで行くことになった。
助手席に座ると、光くんがお茶をくれた。
「紺ちゃん、黒斗さん大丈夫だった?」
『うん。もうあの人規格外だよね。』
「撃たれた翌日に平然と仕事してる姿を見たよ。たしかに規格外だね。良かった……。」
『光くんは父と仲良いの?』
「え?なんで?」
『勘だけど、ただの組の一人娘の旦那ってだけじゃない気がして。』
光くんの横顔を盗み見てお茶を一口飲んだ。
「紺ちゃんは鋭いな~。道を、指してもらったんだ。出会った時はただのお節介なサツだと思ってたんだけどね。まあ、この話はまた今度ね。」
光くんは過去を思い出して目を細めると、私の頭を撫でて笑った。
その表情で、光くんにとって良いものだって言うのは分かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます