第314話
「兄さん。」
「ん?どうした?」
俺は決意を固くした目で、兄さんを見つめた。
桐生君に彼らの裏切りを知って、傷ついてなんて欲しくない。
桐生君の傷つく姿なんて、決して見たくなんてない。
一番信頼を抱いていた金田君を、桐生君は“あいつはいいヤツだ。俺の大親友。”と言っていた。
彼女だったミユという女を、桐生君は“超好きなんだ!!もう骨抜きだな!!”と言っていた。
そんな事を言われたら、俺から裏切りを伝えられない。
そんな臆病な俺を、どうか…どうか許してくれ。
いや、許さなくていいよ。
罪は……ちゃんと償うから。
「兄さん、俺の2つの願い…聞いてくれる?」
君の一番傷つかない方法を思いついたよ。
親友、恋人の裏切りを伝えられないならば……
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