第294話

次第に声は大きくなって、廊下に響いて来ている。



しかし、誰もが見知らぬ振り。



それはそうだ。



何たって、みんなは自分を保護しようとしているのだから。



安全区域にみんないようとして、相手がピンチな時は助けようとなんてしない。



…結局はみんな自分が第一なんだ。




もちろん、ここにいる俺だって助けるなんて面倒な事はしない。



自分の保身のため…とまでは言わないが。






そう思いつつ、俺は心で笑っていると俺の前を何かが走り去って行った。



それを感じた俺は、それを目で追った。



あまりにも早かったので、目で追うのは大変だったが、次の声で誰が俺の前を通りすがったのか分かった。








「やめろよ!!嫌がってんじゃねぇか!!」




…どうして、彼はいつも人のために動こうとするのだろうか?

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