第264話

ガチャリッ…------



「あら、玲衣さん。おはよう。」



「おはようございます、母上。」




俺に挨拶を投げかけてきたその人が俺の本当の母親。



家なのに、もの凄い暑苦しい格好をしている母にはいつも感心をしている。



今だって、とてもじゃないけどここが家なのか疑ってしまうほどの見繕いだ。



本来、リラックスする場所であるこの家もそんな安楽を求める場所ではない。



ここは社交を発揮する場所。




家族のハズなのに、そうではない。



俺を産んでくれた母親でさえも……ただの他人と同等扱い。



ここはそういう家なのだ。






木下財閥…




そう聞けば、誰でもきっとそれが大手会社のものだと気付くだろう。



今や、五本指に入るくらいには有名な財閥であった。



俺は“それ”の息子。



長男ではないけれど、将来は継ぐ事になってしまうだろう。

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