第196話

どういった心情で、彼は私にそう尋ねたのかは知らないがそれに誠意をもって答えた。



「はい、とても楽しいですよ。」



と。



それを聞いたカラスさんは、少し安心したような表情を浮かべて私の左腕をゆっくりと放した。



私はその表情を見た後にいい事を思いついたので、自分のポケットに入れていたものを取りだした。



それを意味深な顔で見ているカラスさん。






「これ…よかったらあげます。」



私がポケットから出したものとは………







文化祭に取ってあった自分のクラスの割引チケット。



こんな所で渡してしまったら、クラスメートは怒ってしまうかもしれないが、でもカラスさんのためなら別にいいやと思い、彼に渡した。



まぁ、彼には少しお礼もしたかったし。




「カラスさんは大歓迎です。」



そう笑顔で彼に言うと、カラスさんは少し複雑そうな顔でその割引チケットを見ていたが、それが嘘だったかのように優しい顔を浮かべた。

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