第191話
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「ありがとうございました。」
「ああ。」
申し訳なさそうに頭を下げた後に、私はカラスさんの服を見た。
先程抱きついて泣いていた所為か、カラスさんの服には涙の跡が分かるように濡れていた。
ああ、申し訳ない事をしてしまった。
そう思った私はシュンッとなるように体を縮込ませた。
それに気付いたであろうカラスさんは困ったように苦笑して…
「気にするな。俺がしたくてしただけだ。こうするのが、俺の本望だったんだよ。」
と言ってくれた。
何だかその言葉にはとても優しさを感じて、私を彼と同じように苦笑した。
私にはとても優しくしてくれるカラスさん。
さっきみたいな男達に見せた瞳も、龍さんや彼に聞かせていた低くて怖い声も私には一切向けない。
それがどうしてかは分からないけれど、とてもくすぐったかった。
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