第123話

そう…彼女には癖あった。



本人は気づいてはいなかったようだが、怒っている時は男言葉を使ってしまう癖が。



しかも、私の説教の後にも男言葉を使っているからおかしいと思った。



だって、もう怒る所なんてないし、彼女をそんな素振りを見せないから。



だから、もっと“違う”何かで怒っていると私は読んだ。



しかし彼女は少し驚いた顔をしただけで、すぐに笑顔になった。




「何言ってんの?真野ってば、面白い事言うね。もうあんたの口から全部聞けたんだから、怒ってないよ。」



と何事もなかったかのように言った。



彼女がそう言うなら…そう思った私はそれ以上はつっこまなかった。



つっこんでも仕方がないと思ったからだ。



彼女はこう見えても頑固で、一度決めた事は絶対に曲げたりしないから。



聞いてもきっともう答えてくれないというのは分かっていたから。

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