第54話

謝っているのだろうが、その謝罪はあまりにも軽すぎる。



彼に至っては、もう言う気にもなれないというのも事実だが。





「それで?兄貴は今どこにいんだよ?」



「詳しくは知らんけど……、紗綾お嬢に聞いたらどーなん?」



「あ?」



既に10時を過ぎている時間帯だ。



……砦は学校を遅刻するつもりで家にいたわけだが、今携帯にかけても紗綾が出るはずもない。



―――…シチユウ、何言ってやがんだあ?




「意味分かんねえこと言ってんじゃねえよ。」



「まあ、信じるか信じんかは砦坊の勝手やけんな。」



最後まで笑みを崩さない彼に嫌な予感しかしない砦は、握りしめている携帯から紗綾の名前を引き出す。

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