第53話

場所は変わり、『山崎組』。



「シチユウ。」



七夕の名前を呼んだのは、未だ何も知らない彼。



……砦は携帯を手に取ったまま、縁側を歩いていた七夕に声をかけた。



それに対して反応を見せた七夕は、いつもの通り笑顔だ。





「何や、砦坊?ワイ、急いどるんよー。」



「……兄貴、どこにいるか知んねえ?」



―――…兄貴。



その言葉を聞いて、フニャリと頬を緩ませる。





「那留坊なら、姐さんとどっか隠居中やろ?何言よん?」



「那留の兄貴じゃなくて、蘭勝の兄貴だよ。間違えんな。」



七夕は砦のその言葉にあえて笑うだけ。




「あー、そうなん?ごめん、ごめん。」

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