第254話
「そんな顔するな。」
「え?」
「……俺はお前に会いに来た。お前が罪悪感を抱く必要はない。」
やはり、彼は優しい。
私のためにそんな風に優しくしなくてもいいのに…。
何故彼は―――…ああ、もうどうして私はこんなに彼に優しくできないんだろう。
自分が最低すぎて本当に嫌になる。
「……ごめんなさい。」
「謝ったりすんな。お前は何も悪くない。」
そんなことない。
このことは私が悪いに決まっている。
「上条さん、私……」
「紗綾。」
ダメだ。
泣いたら彼が迷惑を被るだけなのに、彼は何も悪くないのに、ここで泣いたらかれっを困らせるだけなのに。
―――…泣いてしまう。
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