第115話
私は咄嗟に目を瞑ってしまったのだが、一向に殴られた鈍い音が聞こえなかった。
……え?
何が起こっているのか分からず、ゆっくりと目を開けるとそこにあった光景は―――
「イカンよ、那留坊に手ェ出したら。多分、生きて帰れんから。」
黒い背広に派手な赤のシャツを着ている、少し背の高い男が玲音さんの拳を受け止めている。
「じゃけん、やめといて。」
―――…なまりのある彼のソレは、少しだけこの場を和ませる何かがある。
「んーだ、テメエ?」
玲音さんはそれに対して、気に食わなかったらしい。
が、そんなことお構いなしに那留兄さんは彼に話しかける。
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