第103話
「私は―――」
私のその言葉に誰もが耳を傾けた時だった。
ダンッとこのホールの扉が大きく開く。
その音に誰もが視線を向け、誰もがその人を見て―――…首を傾げる。
驚いているのはその男を知っている人間と、四谷さんだけ。
もちろん、私もそこに彼がいることに驚きを抱いてしまう。
―――…何で、ここに?
四谷さんは彼のその名前を、ポツリと溢す。
「……那留っ」
え、那留兄さんと知り合い?
そう思ったのも束の間。
那留兄さんは表情を映さないその顔で、四谷さんにゆっくりと歩み寄ってくる。
那留兄さん……、少し痩せた?
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