第83話

母親を守れなかった?



それは私達の本当の母親のことを言っているのだろうか?



不慮な事故で亡くなった、たった一人の私達の母親。






「俺には無理だった。……そんな資格なんて、ないんだ。」



一体彼は、どれほどの想いを背負って今まで生きていたのだろうか。



目の前に本当の息子がいるのに、本当のことを言えなかった彼に……何故か同情してしまった。




───…どうしてだろう?



何故、彼に同情したのだろう。



考えると考えた分だけ頭が痛くなってくる。





兄さん、あなたなら今この場にいるとしたら、目の前にいる楔さんに何と声をかける?



同情する?



それとも、怒る?




───…それとも、呆気ない言葉で片付ける?

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