“彼ら”に宛てられた遺書

第75話

四谷さんに全てを聞かされたこの場で、喋る者はいない。



私は困惑しながらも、砦の胸に顔を埋めているだけで精一杯だった。





―――…ああ、兄はランカさんを本当に好きだったのだ。



それを本人に伝えなかったのはどうしてだろうと思いながらも、その想いに少し感動した。



ランカさんを見ると彼も少し目を抑えているので、もしかしたら――。





兄は何って、罪な人だろうね。



今更分かっても、伝えることなんてできないのに。




―――…全く、困ったものだ。







「これが俺の知ってる全て。……その遺書がこれです。」



彼の胸ポケットから出てきたのは、二枚の遺書。



……二枚?

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