第140話

青ざめる父親の顔をよそに、俺は高笑いする。





「アハハ・・・・小学生とは言え実の息子の告白なら、信じてくれる人もいると思うしね?」




そう言うと、俺はポケットからチュッパを取り出し袋から出すと口に咥える。








「さぁ、どうする週3日、自宅に帰って母親の話し相手になるだけでいい。そりゃもちろん優しく親切な態度を頼むよ?」



悔しげに歪んだ父親の顔を見て、勝利を確信する。







ここに来るまでに、俺だって相当の覚悟をしてきた。






もし、交渉が成立しなければ目の前のこいつを刺してもいいとさえ考えた。










「・・・分かった。約束する。」



諦めたように吐き出された言葉。





「そ?なら合格。命拾いしたね?じゃ、今日からよろしくね。」



俺はクスクスと笑うとチュッパの棒を指でクルクルしながら部屋を出る。



ズボンのポケットの中で、カチャリと果物ナイフが静かに音をたてた。





ドアが閉まる瞬間、



「・・・クソッ・・・。」




悔しげな父親の声が聞こえたような気がした。








それでも、俺は作り笑いを浮かべたまま父親の会社を後にした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る