第128話

あぁ・・・・本当に俺の性分って・・・。




妹の気持ちを知ってるから、佐野を遠ざける事も出来ないんだよね。





ホントに、2人の付き合いを許していいのかな?




なんて、心の中で葛藤する癖に、許す方向で動こうとしてしまう。







「今日は来てくれてありがとうね?君と話せてよかったよ。」



俺も立ち上がると佐野に手を差し出した。




「いえ、こちらこそ、お会いできてよかったです。」



佐野は迷いもなく俺の手を取る。





男同士の握手を交わした。





これには佐野の固い決意が秘められているのだと感じた。









「琥珀ちゃんって、素敵な人ですね?」



握手をし終えた佐野が微笑んだ。




「あぁ、彼女はね、特別。」



琥珀ちゃんが褒められるのは、自分の事の様に嬉しいんだ。





「お兄さんの彼女さんですか?」



「残念ながらね、違うよ。俺の大切な仲間の大切な人。」



「そうですか・・・。彼女の後押しでここに来ました。」




琥珀ちゃんが何と言って佐野をここに来るように仕向けたのかは知らないけど。



少なからず佐野に影響を与えてんだと感じだ。





「琥珀ちゃんはねぇ、不思議な子だからね。皆を幸せにする力があるんだよ。」




そう、本当に彼女によって幸せになる。




関わった俺達が自分を見つける事が出来たのは琥珀ちゃんの存在が大きかったんだ。







「実は俺、お兄さんの事はかなり前から知ってたんです。妹をとても可愛がってると言う事も。彼女と付き合いたいなら避けて通れない人だと言う事も。」



佐野はゆっくりと話し出す。




ま、荒れた時代のある奴なら、俺の存在を知ってても可笑しくないね。






「お会いするのが怖くて避けてきました。お兄さんなら俺の過去を調べるなんて簡単な事だと知ってたんで。絶対に反対されると思ってたんです。」




「フッ・・・情けないね?」



鼻で笑った俺を見て、佐野が目を見開いてからすぐに眉をへの字に曲げた。




「ホント、その通りです。俺情けない奴だった。さっき、琥珀ちゃんに『向き合いもせず逃げる君に、彼女は幸せに出来ないよ。』って言われちゃって。」



アハハ・・・ホント目が覚める思いでしたよ。と佐野は笑う。

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