第94話
でも、今はそんな劣等感なんて微塵もない。
琥珀が側に居てくれるだけで、全てを払拭出来るんだ。
単純な男だと言われてもいい。
それだけ、俺にとって琥珀は大きな存在なんだ。
全てを投げ売ってでも手に入れたかった存在。
喉から手が出る程、欲しくて仕方なかった。
リク兄には悪いけど、琥珀が俺を選んでくれたんだ。
手放したりするつもりはないよ?
側を離れたリク兄が悪いんだ。
もうリク兄なんかの事で泣かせない。
俺が琥珀を世界で一番幸せにしてあげる。
だから、この腕から擦り抜けて行かないで。
抱きしめる手に力を入れる。
「・・・ナナ、痛いよ?」
と俺を見上げる琥珀。
「ごめん、急に抱きしめたくなった。」
ヘラッと笑うと、琥珀を腕の中から解放する。
焦らずゆっくり行かなきゃ。
琥珀を困らせてどーすんだよ?
自分を落ち着かせる為に小さく深呼吸した。
「さ、出来上がったプリクラ取りに行こう。」
手を差し出せば、小さな手がそれを躊躇なく掴んでくれる。
「うん。裏側に行ってペンでデコってから、プリントされるんだよ。」
なんて笑顔で教えてくれたけど、デコるってなんだろうか?
女子高生の間で流行ってる言葉なのか?と思いながら、琥珀に手を引かれてプリクラ機の裏側に向かった。
するとそこには小さなモニターと可愛らしいペン。
琥珀は慣れた手つきでそれを取ると撮影したパネルに色々とタッチして行く。
ハートマークだったり、星だったり。
2人が写ったパネルが飾られて行く。
「ナナも書いて。」
ペンを渡されて、少し頭を捻る。
「・・・何を書けば・・・。」
う~んと考えながら、最後に撮ったキスプリが目に入る。
迷わずそこにピンクの文字で書き込んだ。
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