第48話
ほのぼのとした空気の中、夕飯になった。
マリさんがお祝いだと言って、近所のお寿司屋さんに特上にぎりを頼み。
腕を振るった数々の料理が所狭しとテーブルに並んだ。
父親と六織は並んで座ると、酒を酌み交わし始めた。
うん、もう未成年じゃないので、お好きなようにしてください。
琥珀はマリと並んで談笑する。
「今度、子供服を買いに行きましょうね?」
何とも気が早いいマリ。
「あ・・・その前にマタニティーウエアーとか欲しいなぁ。」
と言う琥珀。
「あ!良いわね、買いに行きましょう。琥珀ちゃん明日の授業はどうなってるの?」
「えっと・・・確か2コマと3コマだけだから、昼前には帰れる。」
スティックサラダをポリポリと齧りながらそう答える。
「ホント?だったら、大学に迎えに行くわ。その後、買い物に行きましょう。いいわよね、六織君?」
マリの目は有無を言わせない感じだった。
疑問系なのに、決定事項の様に告げられた六織は、
「はい。」
と頷くしかなかった。
ダメなんて言おうものなら、何を言われるか分かったもんじゃない。
「六織君、琥珀を頼むよ?甘やかせて育ててしまったからね、翡翠が。我儘だけど、これで可愛い所もあるからね。」
父親はマリと笑いあう琥珀を見つめた。
「・・・はい、もちろんです。あいつの我儘なんて可愛いもんですよ。」
六織も琥珀を見る。
「・・・言い難いんだけどね?翡翠はキレると思うから・・・。私より父親らしいからね、あいつは。」
はぁ・・・と息を吐いた。
翡翠さん・・・・あの人が最終関門だな?
そう思ったのは六織だけじゃなく、琥珀もだった。
「ひー君には折を見て話そうよ。」
そう言った琥珀に、
「あら、翡翠君ならもう少ししたら来ると思いますよ?」
とあっけらかんと言ったマリ。
「へっ?」
と琥珀。
「はっ?」
と六織。
「あっちゃ!」
と元就。
三者三様に複雑な顔を浮かべた。
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