第19話

あ~怠い。





一番後ろの席で講義を聞きながら、黒板に書かれた内容を書き写す。






高校時代の泰雅からは考えられない行動だ。






それだけ、必死に勉強しないとついていけないって事。





生半可な気持ちで、成れない職業なんだ弁護士は。







クルリとシャープペンシルを指で回すと、小さく溜息をつく。






こんなのが後2年も続くのかと思うと、ぞっとする。







大学が終わってからも、予習復習をしないとついてけねぇしな。





今になって、この道を選んだ事を少しだけ後悔。





でも、夢を諦めるつもりなんてねぇ。






俺は親父の後を継ぐんだ。




親父の様に、困ってる人を助けたい。





自分達の力では法律と戦えない人達がいる。





俺はそんな人達の力になりたいんだ。






そう思える様になったのも、あいつらのおかげだな?




なんとなく天井を見上げて、大好きな笑顔を思い出した。







高校卒業後の進路に迷ってた俺を励まして、応援してくれたのは間違いなく琥珀や総司達。







特に琥珀は無気力な俺に喝を入れてくれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る