ラプラスの魔女
いまさら読んだのですが、やっぱり東野圭吾は面白い。
何が面白いって、ミステリーにも科学にも興味がない私でも、500ページ近い小説を最後まで読ませるんですから。
とにかくわかりやすく、読みやすく、続きが気になるようにできているんです。ミステリーというジャンルを上手く使って、どんどん引き込んでいくのです。
そして、個人的に東野圭吾が偉大だと思っているのは、ミステリーを「人間ドラマ」と絡めた点です。
私が好きなのは「容疑者Xの献身」なのですが、この作品に代表されるように、ただミステリーの謎を解くのではなく、「犯罪を起こした人の人間ドラマ」も解いていくのです。このミステリー×人間ドラマが感動を呼びます。愛する人のために殺したとか、家族の愛を取り戻すためとか、そういう普遍的なテーマを取り扱っているのです。
さらにおもしろいのは、ミステリーの答えを人間ドラマの答えに重ねるところです。
このラプラスの魔女で出てくるのは、人間は「原子」と同じだという話。ひとつひとつだけでは力はなくとも、つながることで力が生まれると。この最大公約数的なテーマがミステリーを解き終わったあとに出てくるのが気持ちがいい。まさに一粒で2度美味しいのです。
東野圭吾はほんとうにすごい小説家だな、と思います。
読ませる力がすごい。続きが気になる誘導力もあり、文章も簡潔で、難しい科学の話を例え話で噛み砕いて説明し、ミステリーと人間ドラマを融合させて感動を誘う、この作風は唯一無二です。
ラプラスの魔女もめちゃくちゃおもしろかった。ほんとうに読む手が止まりませんでした。久しぶりに一気に小説を読みました。
他にも東野圭吾を読みたいですね。何読もうかな。マスカレード・ホテル読んでみたいです。
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