火の鳥
ずっと読みたいと思っていたマンガですが、ある日父親の書斎にあったので、読んでみました。最初の2巻分です。
そうしたら……壮大すぎて驚きました。スケールがデカすぎですね。
そして、テーマが非常に胸を打ちました。
私は死ぬのが怖いです。
死んだら何も考えられなくなり、意識を失い、何もかもが消えます。こうやって考えることもできなくなり、無になる。それが本当に怖い。子どもノ頃からずっと、死ぬのが怖くて仕方がなかったです。
何度も楽しいことをしたり悲しいことにあったりして、死ぬ恐怖を何度も忘れたのですが、大人になった今でも死の恐怖は拭えません。ほんとうに怖いのです。
自分の死だけでなく、自分と関わりのある人が死ぬのも怖いです。特に親が死ぬのがほんとうに嫌です。死んでほしくないのです。
でも、人間はいつか必ず死にます。寿命か病気か事故かわかりません。いつかは必ず死ぬのです。
そんな恐怖を和らげてくれたのが、この火の鳥でした。
「生き物はいつか死ぬ。だから子孫を残す」
これが究極の答えだと思いました。
生物が生まれる意義は「子孫繁栄」以外ありません。植物や虫や魚や哺乳類、すべての有機物は子孫を残すために生きています。それは人間も同じはずなのです。
しかし、人類は発達しすぎました。思考という力を手に入れてしまったのです。そうすると、子孫繁栄以外の目的が生まれてしまった。現代では「結婚しない幸せ」もありますし、結婚せず子どもも作らない人もいる。生物の目的から逸脱してしまっている。
それは本当に生きる幸せなのだろうか――火の鳥にはそんなメッセージがあるように思えました。
人の一生による幸せは、自分が死んだ後に残るものなのかもしれません。
手塚治虫も、自分が死んでも作品が残ることを幸せに思っていたのかもしれません。
作品は無機物ですが、読むのは人間。人間の心に残り続ける、そんな人でいたいものです。
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