第17話

「知ってるっす、その話」



「そうなの?」



「この前暁人さんが酔っ払って話してたやつっス。若頭、姐さんに一目惚れするも、話しかけれなくて、ずっと見てるだけだったって」



一目惚れって言葉が恥ずかしかったのか、次に聞こえた姐さんの声には、若干の恥ずかしさが漂っているように聞こえた。




「どうだったかな、もうあんまり覚えてない」



「またまた〜」



そこから話題を変えようとしたのか、でもっ!とちょっと大きくなった姐さんね声が車内に響く。





「こんな沢山の人が溢れてるここじゃ、祐樹もきっとあたしのこと見つけれなかったよね」



ふふっと小さな笑い声が、漏れた。



「だからね。祐樹が大学で、あたしの地元に来ていたこととか、今思うと本当に奇跡みたいに思えるの」



たった1人に出会える幸せ。



その人と愛し愛される関係を築けること。



そんな当たり前のようで奇跡のような出会いをした彼女は、

本当に輝いてるんじゃないかと思えるほどキラキラしている。

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