第7話
「マサ」
呼ばれて顔を上げながら、寄りかかっていた壁から背中を離した。
「翔先輩」
組に入るキッカケになった暴走族時代からの付き合いの先輩は、尊敬こそしていたが、一緒にいることに緊張などしない…はずなのに。
やっぱ、今日はあんまり顔見られたくねぇわ。
自分かどんな表情をしているか、いつも通りでいられてるのか。
小さな事が気になってしまう。
そんな俺を見て、翔先輩の眉が少し下がったように見えたのは気のせいか。
…やっぱり、いつも通りにはいってねぇ。
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