第7話
恋季には、幸せになって貰いたい。
誰よりも優しい子やから、絶対に幸せになって欲しい。
「今の紫音を見てると、私も幸せになりたいって思うわ。」
照れ臭そうにハニかんだ恋季。
「両思いになっても楽しい事だけやないけど・・・それも含めて幸せやって言えるよ。」
胸が苦しくなることも、切なくて胸がキュンとすることもある。
過去に嫉妬してしまう事だって。
心の痛みと葛藤に身悶えしても、影虎を欲しいと切望してしまう。
影虎を思っただけで、体の奧がズクンと疼いてしまう。
膝の上の影虎に視線を落とす。
「・・・紫音がそんな顔をする様になるなんてな?」
「・・・?」
恋季の言葉の意味が分からずに、目を丸くして首を傾げた。
「数ヵ月前まで恋なんて知らんかったのに、今じゃすっかり女の顔してるわ。」
恋季の言葉に頬を赤らめる。
「・・・・・。」
お・・・・女の顔って。
「確かに恋季ちゃんの言う通りかもね?影虎の傍に居るしおちゃんは良い顔してるよね。それに色気も・・・ね?」
け・・・啓太まで、何を言うんや。
「やろぉ?やっぱ喰われたら女って変わるんやなぁ。処女やった頃の紫音からは考えられへん。」
「なっ!」
一気に体温が上昇した。
く、喰われたとか言うなぁ~!
ここでそんなカミングアウトされたないわ。
恋季をキッと睨めば、楽しそうに口角を上げた。
あかん、あれは完全にうちで遊ぶ時の恋季や。
わなわなと震える唇。
恋季のあほ!うちで遊ぶな。
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