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第7話・コロコロ転がって

ある日の午後大きなさか道のあるひろばで仲のよい兄弟がそのひろばで遊ぶために持っきたボールで遊ぶ事にしました。


ボールはどことなく楽しそうに兄弟の間を行ったり来たりしていました。


「あっ!ゴメン、お兄ちゃん!」

「大丈夫だよっ」


弟のけったボールがさか道の方に転がり始めお兄ちゃんが慌てて笑いながら追いかけます。


「待ってって」


お兄ちゃんはボールを追いかけますがあとちょっとの所で手が届かずにボールはだんだんとスピードを上げてさか道を転がって行きます。


「わっわっわっ」


ボールは慌てて声をあげて止まろうとしましたがスピードがグングン出て止まれません。


「あっ、ボールさん。こんにちは」

「わっ!わっ!とめてー!!」


目の前に大きな石さん。

石さんがボールにご挨拶をしてボールは石さんにぶつかりました。


「痛いじゃないですか!ボールさん!」

「ごめんなさい。でも、これでやっと止まれる」


ボールが石とにぶつかりボールはちゅうに舞いあがりボールは下に石がいるから石の間にはまってここに迎えが来る…と思っていた。


「おっと、ごめんよ〜」

「わっ!風さん!!」


ビュウと風が横から吹いて石の所に行くはずがまた草っ原のさか道に落ちまたコロコロと転がって行く。


「わっ!わっ!また転がる〜」


またまたスピードがグングン上がってきた。


「こんにちは。ボールさん」

「止めてー!!枯れ葉さんっ!」


今度は枯れ葉に出会いカサカサと枯れ葉の上を転がっていく。


「ボールさん、楽しそうですね」

「楽しくないよ〜早く帰りたいのに〜」


カサカサ、ガサガサと音が鳴りボールは更に転がって落ち葉と別れた後は、小石がゴロゴロしていてボールはガタガタとさか道を転がって行く。


「わっ、わっ、わっ、痛い」


ボールに小さい傷が出来てボールは早くその場から逃げたかった。


「こんにちは。ボールさん」

「水たまりさんっ!」


小石から逃げきったと思ったら今度は大きな水たまり。


「ボールさん、このままだと汚れてしまうよ?」

「止まりたいけど止まれないよー!!」


ボールは大きな水たまりにボチャーンと飛び込んだ。


「汚れちゃったよ…」


色んな色をしていたボールは、水たまりに飛び込んでしまった為に茶色の色になってしまった。

ボールから涙がポロリっと出てシクシク泥水たまりの中で泣いた。


「うわああーん、汚れちゃったよ。きっと見つけてもらえないよ。お家に帰れないよ…」


止まったのはよかったけど色んな色だった自分は茶色になってしまった。

きっとお家に帰れないとシクシクがエーンエーンと大きい声に変わった時に声がした。


「やっと追いついた!」

「兄ちゃん!あったよ!」


ボールは聞き慣れた声に嬉しくなったけど汚れた自分を持って帰ってくれるかドキドキしていた。


「汚れちゃったな。上に持って行って水で洗おう」

「うん!兄ちゃん、今度は僕気をつけるよ」

「あぁ。今度は気をつけてくれよ?」


お兄ちゃんが水たまりの中からボールを両手で持ち上げて2人は来た道を戻って行く。


「良かったね。ボールさん」

「止めてくれてありがとう。水たまりさん」


水たまりさんに笑顔で答えた。


「僕の初めてのさか道冒険だったな」


ボールのさか道冒険。

コロコロ、ゴロゴロ、カサカサ、ガサガサと、どの音も知らない音ばかりだったからとても楽しかった。


「兄ちゃん!今度は何して遊ぶ?」

「今度もボール遊びしよう!」


今度も僕で遊んでくれる。

今度はどんな音に会えるのだろう。






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