第15話

『どうしたの?お姉ちゃん』



『……っ!!』




驚いて、振り返る。部屋のドアを開けた妹が何食わぬ顔をして立っていた。いつもと何も変わらないはずなのに……。






―――…どうし今日はこんなにも妹の顔が醜く見えるんだろう?




『百華、アンタ……』



『どうしたの?そんな怯えた顔して?』



その歪んだ顔は何が起こったのか理解している顔で。怖くなった、妹が。どうしてそんなことをするのかと聞くに聞けない。答えを聞くのが恐ろしい。



震えている私に妹はゆっくりと側にしゃがみこんできて、耳打ちしてくる。




『お姉ちゃんのその顔、さいっこう』



『……っ!!』



『私より綺麗なお姉ちゃん、ずっと気に食わなかったんだよねー』



『だからって、あんなことまでしなくても…っ』



『あそこまでしないと綺麗なお姉ちゃんを穢せないでしょ?』



『真っ白なお姉ちゃんが嫌いだった』とか『真っ白なのは私だけでいい』とか次々と自己中心的な言葉が飛び込んできて、驚きが隠せない。

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