第15話
『どうしたの?お姉ちゃん』
『……っ!!』
驚いて、振り返る。部屋のドアを開けた妹が何食わぬ顔をして立っていた。いつもと何も変わらないはずなのに……。
―――…どうし今日はこんなにも妹の顔が醜く見えるんだろう?
『百華、アンタ……』
『どうしたの?そんな怯えた顔して?』
その歪んだ顔は何が起こったのか理解している顔で。怖くなった、妹が。どうしてそんなことをするのかと聞くに聞けない。答えを聞くのが恐ろしい。
震えている私に妹はゆっくりと側にしゃがみこんできて、耳打ちしてくる。
『お姉ちゃんのその顔、さいっこう』
『……っ!!』
『私より綺麗なお姉ちゃん、ずっと気に食わなかったんだよねー』
『だからって、あんなことまでしなくても…っ』
『あそこまでしないと綺麗なお姉ちゃんを穢せないでしょ?』
『真っ白なお姉ちゃんが嫌いだった』とか『真っ白なのは私だけでいい』とか次々と自己中心的な言葉が飛び込んできて、驚きが隠せない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます