第3話

こいつの私へのストーカー行為が始まって、早3週間。最初は彼の管轄がこの辺りだと本人が言っていたので、会ったとしてもただの偶然だと処理していた。だが、1週間が過ぎればそれは違和感へと変わり、そして2週間目にはこれはストーカー行為だと確信した。



私の姿を見つければ『五十鈴ちゃーん!!』と所構わず叫ぶは、私の家はいつの間にか知られているは、教えてもいないのに誕生日、血液型、趣味や好きなお菓子、好きな漫画、飼い猫がいること、行きつけの美容室、ついには小学生の時のトラウマの話まで知っていた時には流石にドン引きした。



どうしてこうなってしまったのか、全てはもちろんあの出逢いから始まったのだと理解しているが、…………それはこの男もきっと私の容姿が珍しいからだと確信していた。こうして追いかけてきているのは私の地毛である金髪、そして青い瞳が珍しいから。飽きたらすぐに興味なんてなくなるはず。



私の母親はフランス人と日本人のハーフで所謂、私はクォーター。それに私なんかよりも可愛いのは………いや、自虐的になるのはやめよう。



首を横に振る。




「五十鈴ちゃん、どうしたの?体調悪いの?」



「別に。つか、ほっとけよ」



「塩対応な五十鈴ちゃんも好き」


「死ね、変態ストーカー」



「ふふ、もっと罵って」



やっぱり、本物の変態だ。

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