第31話

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 現在私は部屋で荷解きをしている。


 昼食後、どのタイミングで部屋に行けばいいのだろうと悩みながら琳たちと話していると(と言っても私はほぼ聞いていただけ)時雨さんから「荷解きまだだろ? 遠慮しねぇで好きな時に部屋戻っていいからな」と気を遣って部屋に行くタイミングを作ってくれた。ありがたい。


 おかげで私は部屋に戻って荷解きができた。琳が「手伝う?」と優しく申し出てくれたがさすがに申し訳ないから丁重に断った。まあ、本当に大したものはないからテキパキやるとあっという間に片付いた。


 強いて言えば、一人でいる時間が多いのもあって暇つぶし用の漫画や小説の数がそこそこありそれをしまう作業が少し大変だったくらい。



 時刻を確認。まだ三時を過ぎて少し経ったくらいだ。



 ……さっさとお風呂入ろうかな。時雨さんから「男ばっかだしあとから入るとなると遅くなっちまうから先に風呂入っててくれ」と頼まれていたし。



 晩ご飯は六時過ぎ頃と聞いている。それまでに風呂に入って、空いた時間は何か手伝えることをしたい。穀潰しにはなりたくないからな。



 そうと決まれば早速、トートバッグの中に着替えを詰め込む。バスタオルは脱衣所にあるとさっき聞いたし、シャンプー等も浴場に用意してあるらしい。


 もちろん男物しかなかったようだが、女物をさっきショッピングモールで買っていたのだ。私は特に拘りとかないし少しの間だし男物でも全然良かったのだがせっかくのご厚意を無駄にする訳にもいかない。ありがたく使わせてもらおう。



 準備が整い、部屋を出た。つい、女子寮にいた時の癖で付近を見回して人影を探すも誰もいない。そそくさ出て行き、一階へ降りた。


 最後の段を踏み越える時だ。声が、人影があった。少し驚くものの平常心を言い聞かせて堂々と進む。



 真っ黒い清潔感のあるストレートヘアに、黒い双眸からは感情が読み取りにくい人(イケメン)と暗めの茶髪をしっかりセットしている一見チャラそうだが表情が柔らかくて、まるで物語に出てくる王子様のような爽やかさがチャラさを帳消しにしてる人(イケメン)が目に飛び込んだ。



 ジャージ姿で、若干汗ばんでいる。外で運動でもしてきたのだろう。それすらも様になっていて、本当にイケメンさまさまと言うべきか。

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