気遣い

「…ハァ」



 ご飯を一通り作り終えると、先にお風呂に入った。こんなに早い時間のお風呂は久し振りだ。

 決まって金曜日は、週末の予定について高森からの電話があったから、その電話を待たなくていいのは楽だった。

 

 台所で水を飲んでいると、ガチャンとドアの締まる音がした。


 鍵を閉める音

 靴を脱ぐ摩擦音

 スリッパを履く足音。

 

 コップを流しに置いて廊下から続く入り口を見れば、疲れた様子の隆至の姿がリビングに入ってきた。



「おかえり」


「あー…、ただいま」



 ぎこちない返事に、まだ怒っているのかと心配をする。



「今日は、早かったんだな」


「あ、うん。誰にも捉まらずに帰れたから」


「そうか」



 素っ気なく返事をすると、隆至はカバンをソファーに放り投げてネクタイを乱暴に緩ませた。

 やっぱりまだ、機嫌が悪いようだ。



「ご飯作ったけど、食べれそう?」


「いや、いい。済ませた」


「…そっか」



 “ 帰ってない ” って思われてたのかも…。

 腑に落ちないけど、何か口にすると喧嘩になる気がしたから、1人椅子に座って夕食を食べ始める。

 食べてもらいたくて作った隆至の好きなから揚げも、残さず食べてやる!

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